暗い夜道を、走り続けた。

ただがむしゃらに。




蒼は悪くない。

何でそんな態度するんだって、きっと思ってるよね?




でも何で今なの?




美々ちゃんのこと心配じゃないの?




蒼の顔がまともに見れない。

見るのがつらい。




「…ハァ…ハァ…ッ」




走り疲れて、電信柱に寄りかかる。




何自分に言いわけしてるんだろ。

最悪だあたし。




あたしは、


“蒼に彼女ができた”



ただ、その現実を受け入れられないだけ。




「…ぅう…っ…っく…」




美々ちゃん…ごめんね。


あたし最低だよ。




蒼のことで泣いてる自分がいる。




美々ちゃんは…いま

あたしより何百倍も苦しんでるのに…




心も身体も

痛いのに、苦しいのに




今はあたし…自分のことなんて

考えちゃいけないのに……




ごめんね。




弱い自分が…大嫌いだよ…