「美々を襲わせたの、栞ちゃんなのかよ…?」




ケンは、信じられないという顔で、俺を見た。




「高梨が、襲われる前に…俺、部活のあと、栞と話したんだ。俺は何があっても絢音を守るって言った…でも栞は、俺と栞が付き合うことになると余裕で返しやがった」




おそらく…俺が帰った後、連絡したんだろう




高梨の後を、尾行させていた奴らに…




「いくらなんでも…犯罪だぞ?しかも栞ちゃん女だぜ?そんなこと現実に起きるわけが…」




「でも実際に高梨はあういう目に遭った」




「なぁ蒼…気は確かか?」




「今朝、栞が家の前に来た。アイツは『栞の勝ち?』って言ったんだ」




全ては…栞の仕業。

思惑通りだ。




「あの女…絶対に許さねぇっ!!」




ケンは、拳で校舎の壁を殴った。




「でも高梨は…警察に届けないといった。それに捕まったとしても、男たち栞の名前を出すか?全てが、栞の思うままだ…」




「…くそっ!!何か方法が…」




「ケン…俺が栞と付き合っていれば、しばらくは大丈夫だろ?だからこのことは、絶対に誰にも言うな」




「蒼…おまえ…」




「俺は…ケンのこと信じてる…」




これしか方法はない。