「何で…何も言わねぇんだよ?俺って蒼の何なんだ?」




そう言ってケンは俺のネクタイをグッと掴んで、睨みつける。




「蒼が好きなのは、昔からたったひとりだろっ?好きで好きでどうしようもないくせに…」




「…だからだよ」




俺はため息をついた。ケンにごまかしは利かない。




絢音のことを…誰よりも
好きだよ。




今も…これからも。




「絢音を守るには、栞と付き合うしかなかった…」




絢音がこれ以上、泣かないように…




傷つかないように…




俺の気持ちなんて




どうでもいいんだ




絢音が笑ってくれたら…それでいい