幼なじみ〜first love〜

あたしは一人、美々ちゃんの家の前に着いた。




息を呑み込んで、インターホンを押そうとするが人差し指が震えてしまう。




昨日の美々ちゃんの様子だと、あたしには当然会いたくないと思う。だから拒絶されるのが怖い。




ピンポーン…――。




インターホンを鳴らすと、すぐに玄関のドアが開き、中から美々ちゃんのお母さんが出てきた。




「…絢音ちゃん」




お母さんの顔もだいぶ疲れ果てている。目の下のくまが酷かった。




「あの…美々ちゃんの様子は…?」




「…絢音ちゃんも…知ってるのね?美々に何があったか…」




美々ちゃんのお母さんは、今にも涙が溢れ出しそうだった。




「はい…知ってます…」




「ケン君から、詳しいこと聞いたわ。私もショックで…気が動転して…」




「おばさん…すみません…」




あたしは、深々と頭を下げて謝った。




あたしのせいで、美々ちゃんがあんな目に遭ってしまったなんて、とてもじゃないけど言えなかった。




「なぜ絢音ちゃんが謝るの…?警察には届けていないわ。美々が…やめてくれって言うの。…犯人を殺してやりたい……」




「あの…美々ちゃんに少しだけでも…会わせてもらえませんか…?」




「誰にも会いたくないって言ってるのよ…あんなことあったばかりだもの…仕方ないわよね…ごめんなさいね」




「いえ…また来ます。おばさんも体を大事にしてください。」




「ありがとう」




美々ちゃん…


あたしのこと…恨んでるよね




苦しませて…ホントにごめんね……




美々ちゃんの笑顔、早く取り戻して見せるから。