「…ん?…絢音」




蒼が目を覚まし、眠たそうに目をこする。




「蒼…ありがと。手…繋いでてくれて…」




「…ん…うん…」




蒼は照れくさそうに、顔を背けた。




「俺、部屋戻って着替えてくるわ」




「ん…」




蒼が部屋を出ていき、あたしは枕をぎゅっと抱き締めた。




あたしの…バカ


今は…それどころじゃない




ただ一つの心当たりを


確かめるためにも…




美々ちゃんの傷を早く治す為にも




蒼への気持ちは、閉じ込めよう。