階段を上がり俺は、絢音の部屋の前に立つ。




ドアに耳を付け、中の様子を伺うと、中から絢音の泣き声が聞こえた。




「…絢音?」




ドア越しに話かけるけど、返事はない。




「絢音…入るぞ…?」




ドアを開けると、絢音は布団の上にうずくまり泣いていた。




「絢音…」




「…っく…ううっ…大丈夫だから…蒼…」




「もう寝ろ…」




俺は、絢音の背中を優しくさすり続けた。