「…学校の帰りに買い物してたらしい…母親と出掛ける為の服をな…。」
ケンちゃんは膝の上で手を組み、酷く険しい顔で重い口を開いた。
「その後、狭い路地でいきなり後ろから…」
ケンちゃんは声を詰まらせ、あたしから目を背けた。
「…口を塞がれて、そのまま車に乗せられてホテルに連れていかれたって…」
ケンちゃんは、怒りで唇と手が震えているのがわかった。
ケンちゃんの話はとても信じがたい…違う、信じたくなかった。
そんな怖いことが、本当に起きてたんだとしたら…
「ねぇ、警察に届けようっ!?」
服のポケットから携帯を取り出し、警察に電話しようとすると、ケンちゃんに携帯を無理やり奪いとられた。
「やめろっ!絢音っち…。…美々が警察には届けたくないって言ってんだ…」
「美々ちゃんが?どうして!?こんな酷いことされて…」
ケンちゃんの服に掴みかかると、ケンちゃんは深くため息をついた。
「写真…撮られてんだぞ?美々が言うには、二人の男に縛られて、その後……」
「もぉ…いい…それ以上…言わないで……」
あたしはまるで、腰が抜けてしまったように床に崩れ落ちた。
ねぇ、美々ちゃん…
女の子が一番
傷つくことをされたんだね
あたし、想像するだけで怖い
美々ちゃんは
どれだけ怖かったんだろう
きっと…すごく
すごく怖かったよね
あんなに震えて
何て声をかけたらいい?
あたしは何をしてあげられる…?
あたしが辛い時…
いつも明るく
励ましてくれたのは
美々ちゃんだったのに……
あたし…親友なのに
何もできないね…
ケンちゃんは膝の上で手を組み、酷く険しい顔で重い口を開いた。
「その後、狭い路地でいきなり後ろから…」
ケンちゃんは声を詰まらせ、あたしから目を背けた。
「…口を塞がれて、そのまま車に乗せられてホテルに連れていかれたって…」
ケンちゃんは、怒りで唇と手が震えているのがわかった。
ケンちゃんの話はとても信じがたい…違う、信じたくなかった。
そんな怖いことが、本当に起きてたんだとしたら…
「ねぇ、警察に届けようっ!?」
服のポケットから携帯を取り出し、警察に電話しようとすると、ケンちゃんに携帯を無理やり奪いとられた。
「やめろっ!絢音っち…。…美々が警察には届けたくないって言ってんだ…」
「美々ちゃんが?どうして!?こんな酷いことされて…」
ケンちゃんの服に掴みかかると、ケンちゃんは深くため息をついた。
「写真…撮られてんだぞ?美々が言うには、二人の男に縛られて、その後……」
「もぉ…いい…それ以上…言わないで……」
あたしはまるで、腰が抜けてしまったように床に崩れ落ちた。
ねぇ、美々ちゃん…
女の子が一番
傷つくことをされたんだね
あたし、想像するだけで怖い
美々ちゃんは
どれだけ怖かったんだろう
きっと…すごく
すごく怖かったよね
あんなに震えて
何て声をかけたらいい?
あたしは何をしてあげられる…?
あたしが辛い時…
いつも明るく
励ましてくれたのは
美々ちゃんだったのに……
あたし…親友なのに
何もできないね…



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)