部活動の帰り、いつものように友達と一緒に帰ってる途中、向こうの方で、声を張り上げながら騒いでるカップルがいた。

明らかに喧騒の内容だと感じた。
聞き覚えのある声にたくみは
『ハッ』と思い立ち止まった。
《真嶋先輩!》
横の男は誰だ!
と思いながら、たくみは見つからないようにさっと身を隠した。

なんの話をしてるんだろう?
よく聞き取れない。
でも、今までに見たことのない真嶋先輩の顔だった!
今にも泣き出しそうな、顔で、真剣そのものだ。たくみは目を凝らし、二人の状況を見ていた!

すると、真嶋先輩が、男の袖を掴んでいたが、それを振り払い、男は自転車で去って行った。
その瞬間に、真島先輩はその場にしゃがみ込み、顔を手で覆った!
たくみは、友達に『先に帰って』って告げて、真嶋先輩に駆け寄った!

『大丈夫!』その一言は、
たくみにとって、精一杯の出せる言葉だった。
真嶋先輩は肩を震わしながら、しゃがみ込んだまま、
『私、フラれちゃった・・』

と言ってまた肩を震わせていた。
たくみはすぐ様、抱き寄せたかったが、初めての事態にたくみはなにも出来なかった。
ただそばにいるだけで・・・