「そんな事、出来るの?」 「出来るさ。もし出来なかった場合、弁護士を通して大学は訴える事が出来る。 それが契約社会のすごい所だ。」 そうなんだ。 じゃあ、私は――。 「だから、彩夏? 彩夏がまだ俺の事を思ってくれているなら―― 側にいて欲しい。 ……一緒にカナダに住んでくれないか?」 本当に大丈夫? 不安だし、怖い。 でも、 それでも、 実の側にいたい。 「…返事は?」 耳元で囁く様な甘い声。 それに見つめられるだけでドキドキして恥ずかしくなる。 「…私は――。」