ふたつの恋の物語

「・・・・ある。」

『何?言ってよ。』

「バスケ出ないで・・・」

『なんで?』

ハルが優しく問いかけてくる。

「バスケしてるハルみたら、みんな好きになっちゃう。
もしかしたらその中の子をハルも好きになるかも・・・」

『ばかか・・・』

「それに!こないだみたいにハルが拒否しなかったら、あたし耐えられないよ・・・」


涙がこらえきれなかった。


『あのさあ・・・俺が何年お前のこと好きだったと思ってる?』

「知らないよそんなの!」

『ずっとだよ。』

「はあ?」

『俺は気づいた時にはもう東子が好きだったの!
その間に何度も諦めようとした。
でも出来なかった。
そんな俺が今更目移りすると思う?』

「分かんないじゃん。」

『俺はお前しか見えてねぇの。
東子しか好きじゃねえよ。』

「ぶっ・・・」


セリフがクサすぎて思わず吹いてしまった。


『わ、笑うな!!』

「だって・・・くさい!
でもありがと。」


『ちゃんと言えよ。』

「うん・・・」

『じゃあおやすみ。』

「おやすみ。」