「聞こえるか、イーグル」


「はい、イーグルです。」


管制官では無く管制室責任者からのじき
じきの通信だった。


これは異例な事だ。


「イーグル、良く聞いて欲しい。」


「はい…」


イーグルは短く返事をした。


「君の近くの軌道を、大きめの雪が通過
しそうな気配だ。そのままそこに漂って
居ると衝突する可能性が有る。」


「分かりました。直ぐに引き上げます。」


「いや、それが、突然現れた雪で君の引き
込みが間に合わない可能性が大きい。
そういう訳だから、コントロールフックを
外して、暫く自由遊泳して欲しい」


「そうですか。分かりました。」
「準備が出来次第救助船をよちらに向かわ
せる」