赤ちゃんの存在に気づいてから、しばらく経った頃、ようやくママが気付いた!

初めて、病院へ行ったその日は、パパのお誕生日だった。


みんなが、お祝いに来てくれて、賑やかで、ぼくと、ひなお姉ちゃんもご機嫌で遊んでいた中、
ママが、みんなに赤ちゃんがやって来た事を報告。


「おめでとう!」
「予定日は、いつ?」なんて言って、パパのお祝いのはずが、まだたまごの赤ちゃんが主役になっちゃったよ。

ぼくが、パパママの所へ来た時から、ずっと可愛がってくれてた、ばあば達。

「ムームも、お兄ちゃんになるんだから、いつまでも、ママに甘えてられないよ!」って。

いきなりお兄ちゃん扱いしないでよ~。

パパとママには、待望の第一子。

そして、じいじとばあば達には、初孫と言う存在になるらしい。

「みんな、赤ちゃん赤ちゃんばかり言ってるけど、ちゃんと、あたし達のお世話、してくれるのかしらね」

なんて、ひなお姉ちゃんは、あくびしながら言うけど、ぼくにとっては、大問題!

ひなお姉ちゃんは、自立した「大人の女」ってやつを目指してるらしいが、ぼくは、パパママに甘えたい。

いっぱい抱っこして、「私の可愛いムーム」ってして欲しいよ。

でも。かき集めた情報によると、赤ちゃんてのは、とってもお世話が大変らしく、ママは寝る暇もなくなると言う。

「ぼく。ちゃんと抱っこしてもらえるかしら」

きゅう~んって泣きたくなっちゃった。