天上のワルツが聴こえる

おくれ毛が逆立って、アンドロイドの指にからみついた。

血の筋のように、腕に這いのぼる。

少女は最初びっくりしたが、そのアンドロイドの手から、不思議な暖かさが伝わってくるのを感じた。

心が安定してすっかり落ち着けるような、そんな暖かさだ。

少女は思った。

この髪は、こんなふうに、心を感じ取ることもできたのだ、と。

アンドロイドの腕から、髪がはらはらと離れ落ちた。

「落ち着きましたか?」

少女は、コクンとうなずいた。

そして彼に言われた通り、メタルプレートを胸につけ、大木の陰に身をひそめた。

アンドロイドは、時計屋の横の狭い路地に向かった。