天上のワルツが聴こえる

「動物としての生体反応をシールドする装置です。それをつけていると、あなたは植物とみなされます。ですから、木の陰から出てはいけません」

「じゃあ、ピーチもこれをつければいいのに…」

アンドロイドは、かぶりを振った。

「わたしは、駄目です。電脳が発するパルスを感知して、彼らは追って来ますから」

「そ、う…」

彼が機械なのだと思い知るたびに、少女は切なくなる。

外見も心もヒトと変わらないのに、皮膚も暖かいのに、彼は機械で出来ているのだ。

「そんな顔をしないでください。わたしも哀しくなります」

アンドロイドは優しく微笑んで、少女の頭をそっと撫でた。

夢見の赤い髪に、触ってはいけない。

しかし、彼はそんな鉄則は無視した。