単車は、Sブロックのはずれに舞い降りた。

近くに川があって、その川には、半円形をした金属の太鼓橋がかかっている。

河岸には落葉樹の並木道。

景色がとても美しかった。

まだまだ追っ手は来そうもない。

見ると、その河畔を老人が散歩していた。

パン屋のジョゼフじいさんだ。

ジョゼフじいさんは、パンを焼き始める前にここを散歩するのが日課だった。

「おはよう。おじいさん」

少女が、声をかけた。