「あ! 何か来る」

少女の声で、アンドロイドの思考は中断された。

見ると、進行方向からこちらに向かって黒い点が飛んでくる。

「警備ロボットかしら?」

少女が、不安そうに訊いた。

「その可能性は、ありますね」

しかし、アンドロイドは他人ごとのように落ち着いている。

それもそのはず、これは予測された事態だ。

アンドロイドは、単車の高度を下げた。

「降りるの?」

「その方が、隠れる場所もあるでしょう」

「たしかに、そうね」