アンドロイドは、共同住宅の部屋で端末機とシンクロしていた。

左の二の腕にある端子と端末機を、数本のケーブルがつないでいる。

あいている右手で、タッチセンサーのコンソールを操作していた。

「情報をお願いします。マザー」

アンドロイドは、口頭で質問した。

その間に、彼の電脳から直接、付帯情報が伝わる。

端末機のスピーカーから、落ち着いた女性の声が流れた。

「リーファは、限界です。この世界を維持するためには、新たな夢見が必要となるでしょう」

俗称、マザー。

P08管理システムの、ホストコンピュータである。

「新たな夢見?」

アンドロイドは、その言葉に痛烈な違和感を覚えた。