天上のワルツが聴こえる

老婆は、明らかに常軌を逸していた。

だが、救いを求めていたのかもしれない。

そして、彼女を救えたのは、この世界で彼女を救わなければならなかったのは、間違いなく自分だったのだ。

少女は、慄然とした。

「あたしが…殺した…?」

髪が、乾いた風になびいた。

この赤い髪が、老婆の狂気の夢を食いつくしてしまったというのか。

背筋に悪寒が走った。

ぶるっと身震いして、自分の肩を抱く。

白々しいほど陽気なワルツのリズムが、再び聴こえてきた。

と、ヒトの気配に気づいて、顔を上げた。