「あたし、どこか悪いのかしら?」

「大丈夫。わたしがついています」

そう言って、アンドロイドは微笑んだ。

少女には、その表情がとても頼もしく見えた。

何があっても、このアンドロイドが護ってくれる。

そんな安心感があった。

だから、このことはこれ以上考えないことにした。

少女は、大きく深呼吸した。

「ありがとう。ピーチ」

アンドロイドの頬に、キスをする。

ちゃんと体温があって暖かい。

形の良い真っ赤なくちびるが、小鳥のさえずりのように、ちゅっ、と鳴った。