真っ赤な髪の少女が、石畳の路地にたたずんでいた。

道は、まっすぐ小高い丘を登っている。

丘の上には、薄紫色の空を背景にひときわはえる、純白の聖堂があった。

丸いドーム型の美しい聖堂だった。

少女は、それをここから見上げるのが大好きだった。

とりわけお気に入りなのが、空が薄紫色に染まった夕暮れ時である。

まるで天使が降りる場所のように神々しく、それはそれは素晴らしい眺めなのだ。

うっとり見つめると、少女のまっ赤な髪がゆらゆらと生き物のように揺れた。

だが、少女は決して丘を登って間近で聖堂を見ようとは思わなかった。

夢がこわれてしまうような気がしたからだ。

少女の名はリーファ。

アンドロイドのピーチと2人で、この街に住んでいる。