「もう、1時だもんね。お弁当取ってくるね」


泣いているはずの当の私が言えばこの話は終わりになる。


そろそろ泣きまねにも疲れた。


「健太、あんたも行きなさい」


雪乃に言われしぶしぶ私の後をついてくる。


「さすが、凛。いい奥さんになれるね。健太」


「何で、俺に振るんだよ」


「別に」


春樹のからかうような視線が面白くない。


さすが、ってことは以前にも凛の手料理を食べたってことだと思う。


俺より先に凛の味を知っていることも腹立たしい。