……………え、 目の前でぷらぷらと揺れる、傷、だったもの。 「ぜんぶ、嘘なの。傷なんて残ってない」 そう笑って、呆然とする爽の頬にそれをぺたりとくっつけた。 フランケンシュタインさながらの傷ができる。 「………あたし、爽が好きだよ」 涙をぬぐいながら美羽さんがつぶやく。 「どんなことしても欲しかったんだ。縛りつけて、ごめんね」 私に視線をむける。 「愛ちゃんも……傷つけて、ごめん」 そして、最高の笑顔をうかべて 「……お幸せにね!!」 私たちに背をむけて、歩いていった。