美沙の父親は俺に何回も頭を下げた。



美沙の父親は須藤公美が自分の子を生んだ事も知らなかった。



真実を知った時、美沙を傷つけた事を後悔した。



元々神経の弱い美沙にあんな酷い事をしてしまった。


美沙の父親は朝里を引き取りたいと何度も言ったが、


俺は断った。



『義父さん、朝里は俺の子として責任持って育てます。


お願いします。俺から朝里を奪わないで下さい。』



俺は何回も頭を下げお願いした。



「浩輔君分かったよ。朝里の事は頼む。


朝里は美沙同様俺の娘だから、


せめて金銭面の応援をさせてほしい。」



俺は義父の気持ちを快く受ける事にした。



もし俺に何かあった時に、朝里の将来の為に義父に俺からもお願いした。



そして朝里に真実を告げる事なく時が過ぎた。



今美沙はあの病院にはいない。



美沙は病院を逃げ出し、今何処で何をしているのか、


誰もしらない。