「包帯…取って」 「はあ?」 朝倉が頭に巻かれている包帯を指さした 「ほら、留め金が後ろにあんじゃん? 寝るとき痛いだろ? それに後ろじゃ、消毒するのに 一人でできないし」 一人? 病院に行かないの? 「病院は?」 「行かねえよ」 「何で!」 「金ねえもん、俺」 「治療代は…あたしが 出すから…」 「金持ちのボランティア精神に興味はない」 ほら、取れよと言わんばかりに 朝倉が頭を差し出してきた