ヴィナス・アプロの伝言(メッセージ)


次の日。

やはり、まだ目覚めない。

午後になっても目覚めなかったら、病院へ連れて行く……と言うので、学校になんて行ってられなくて、朝からずっと咲の側を離れなかった。


そして、タイムリミットが近付いた時。


俺が握ってた両手の中で、咲の右手が、ピクッ、と動いた。


「咲っ?! 咲っ?!」


思わずイスから腰を浮かせ、何度も何度も名前を呼ぶ。


咲がぼんやりと……目を開けた……。


「咲? 大丈夫か?」


あんまり、ボー、っとしてるので、そっと声を掛けると。


「雄一君?
 どうして、ここに?」


咲の開口一番のセリフ。