「私、今日は休講で1日空いたから家に居たんだけど……朝は疲れて寝てるのかと思って、そっとしておいたの。
でも、午後に声を掛けてピクリとも反応しないの。
不安になって、お医者さんにも来てもらったんだけど、特に異常は無く寝てるだけ……って。
2〜3日様子を見て、それでも目覚めなかった時は、大きな病院で検査する……って」
俺は由紀先輩の話を聞きながら、咲に近付いた。
思わず、ベッドの横にペタンと座り込んでしまう。
「……咲?」
試しに呼んでみる。
返事は、無い。
恐る恐る手を伸ばし、頬に触れる。
……温かい……。
「なぁ、咲?
拗ねてないで、もう起きろよ……話がしたいんだ」
反応は、無い。

