俺はてっきり、リビングで話をするんだと思ったら、いきなり咲に許可を取るんでもなく、2階へ案内されたので、少しずつ嫌な予感がしてくる。 「どうぞ」 そう言って由紀先輩が開けたドアの向こうには、ベッドに寝ている咲の姿。 えっ? どういうこと? ただの昼寝……だったら、まず起こす努力をしてから、俺に「寝てて起きない」って言うよな? 「由紀先輩……どういうこと?」 「実は朝からいくら起こしても、起きないの」 「へっ?」 思わず、変な声が出る。