ヴィナス・アプロの伝言(メッセージ)


高校2年になっても同じクラスで、俺達は相変わらずだった。

俺はなんとなく、咲の考えてることが分かり、咲が声に出して何か言う前に行動してたので、最初、咲は驚いていた。

でも、最近は慣れてきたらしい。

でも逆に、俺は俺で、咲には自覚がないようだけど、咲が俺の食の好みを知ってたり、俺の好きな本や服など知っていて、『ああ、こいつ、俺の事、分かってるなぁ』……と、時々思う事があった。


でも。


俺達、別に付き合ってるわけではないんだよな……。


居心地がいい関係を壊したくなかったから、俺は何も言い出せないでいた。

多分、咲もそうだ、と……なんとなく、確信してた。