高校1年の夏。

中学時代に付き合っていた咲の事が、どうしても忘れられない。

中学3年の時、俺はある女子に告白されて断ったら、当時付き合っていた咲に逆恨みし、複雑な家庭のことをネタに咲を中傷し始めた。

それまでいろいろ辛かった咲の気持ちを知ってたから、俺のせいで傷付く事を言われるなら、俺から離れてやればいいんだよな……。

そう思って咲に、『受験勉強で忙しくなるから、しばらくは付き合うの、止めよう』と、中学卒業までのつもりで言った。

でも、咲は『卒業まで』とは受け取ってなかったようで、受験が終わってから話そうって思ってたのに、いつも避けてて……そのまま、高校生活が始まった。