クスッ 今度は雄一君、そんな風に笑って……でも、またすぐ、さっきの大人びた表情に戻って……。 「咲が俺の事でいろいろ悩んでたのは、気が付いていた。 でも、俺だって、ちょっと前にはいろいろ悩んでたんだ……多分、おまえと同じような事で……。 前に一回、自分で結論出したんだけど、今回、改めて実感させられたから、この際、ハッキリ言っておく」 雄一君、そこまで言うと、私の右手を包み込んでいた両手に、ギュッ、と力が加わった。 そして……。