ヴィナス・アプロの伝言(メッセージ)


「雄一君、学校は?
 今日、平日じゃない。
 もう1時間目、始まってるよ?
 今から行けば、2時間目に間に合うから。
 あの……心配してくれて、ありがとう。
 あの、私、もう大丈夫だから。
 ……あの……」


思わず言い淀んでしまう。

だって。


雄一君……ジー、っと、私のこと、見るんだもん。


ううん、違う。


真剣な眼差しで……見つめてるんだ。


そう気付くと、思わず視線をそらし、俯いてしまう。

今まで見たことのないその表情に、私、戸惑っていた。


と。