ヴィナス・アプロの伝言(メッセージ)


雄一君のさっきの表情が甦ってくる。


あの時の雄一君の気持ち……私には、わからない。


私には、雄一君が、わからない?


だから……。


だから、不安になる。


今まであえて避けてきた。
伏せてきた。



私の家族――。



私を捨てて、自分の道を歩いて行った人達。



私は別に、あの人達の行動を恥じてはいないし、憎んでもいない。


ただ。


淋しかっただけ。

……虚しかっただけ……。


なのに、世間は違ってた。