高校入学式当日。


「あれっ? 藤村?
 藤村咲、だろっ?!」

そう声を掛けられても、最初は誰だか、分からなかった。


「小4までずっと同じクラスだったのに、覚えてねぇの?」


えっ?


「雄一君? 佐伯、雄一君?
 嘘っ、なんでここに?」

「なんで、って、入学するからじゃん。
 5年振りに戻ってきたけど、やっぱいいよな。
 藤村と再会なんて、予想外だったけど」


それはこっちのセリフだった。


雄一君は、5年生にあがる前に遠くへ引っ越して行って……それまでは、結構、仲が良かったクラスメート。