誰か、助けて。 誰か、私をここから連れ出して。 ここ数年、忘れていた、眠りにつく為の呪文。 誰か、私の記憶を消し去って。 誰か……。 そう願いながらも、そんな『誰か』など、現れるはずがない事を、十分知っている。 今夜も、いつもと同じ。 虚しい夜……。