「あの、さ…」



俺の隣で花火をしながら、美波は口を開いた。



「ん?
どうした?」



そう聞き返すと、美波は何やら気まずそうに口をもごもごさせた。


心なしか、頬が赤い。



「えっと、ね…その………


お誕生日…おめでとう」



「………!」



一瞬、言葉を失った。


だが、すぐにふっと笑みがこぼれる。



恥ずかしそうに顔を背ける美波はとてもかわいくて、とてもきれいで…



「………ケーキ、ごちそうさま。

うまかったぞ」



美波の頭にポンと手を乗せ、笑う。


それに対して美波も、少し恥ずかしそうに笑みをこぼした。




そんな美波が、とても…とても…




「………また、来年もこんなお誕生日にしたいね」




………愛おしく、思えた。