泣き虫なあたし。



「五歳になったばかりのある日、そのおばさんの家に遊びに行ったんだ」



「でも、走り回っていたら迷子になっちゃって」



「気づけば、おばさんの働いている幼稚園の物置に来てた。辺りはもう暗くて。正直半泣きだった」



「耳をすますと、すすり泣く声が聞こえて、びっくりした。でも泣いていたのは同じぐらいの女の子で」



「可愛いって思った。だから笑ってほしくて。励ましたら笑ってくれて。本当に嬉しかった」



「それからあまりおばさんの家に行くことなくて、会えなくなっちゃったけど、こないだ再会出来たんだ」



「本当に嬉しくて、仮でも彼女になってくれて嬉しすぎてどうにかなっちゃうんじゃないかって思った」



「俺も、ずっと朱鳥が好きだった」