泣き虫なあたし。



私はゆっくり暁兎の方を見た。


怖かった。


どんな表情をしているのか分からなかったから。


でも暁兎は



笑っていた。




「じゃあさ、俺の初恋の話も聞いてくれる?」



私…フラレるの?


暁兎の初恋の話なんか聞かされて。



「俺の初恋も幼稚園で。その時の俺の楽しみは、都会に住んでるおばさんの家に行くことだった」