「やっぱ絵里に聞いた?」
『聞いたっちゃ聞いたけど、きっと華兎と暁兎はまだ隠してるコトあると思ってる。絵里さんもあんま話してくれなかったし』
華兎の口から絵里と聞くとやっぱり血が繋がってるんだと思う。
「窪川はさ、やっぱり知りたい?うちのこととか。……兄貴のこととか」
私は少し考えて答えた。
『待つよ。そりゃあ知りたいけど待つ。華兎が…暁兎が教えてくれるまで』
私が言うと華兎は少し驚いた顔して、笑った。
「ありがとう。窪川………あっ!兄貴ね?仮病だから見舞いに来てやって?」
そう言うと、華兎は教室に駆け込んでいった。
そういう、さりげないとこ、やっぱ華兎の優しさなんだなって思う。
帰りに行こう…
暁兎の家に。