「華兎…ごめん…?朱鳥借りていい?」


「兄貴…」


いつの間にか暁兎君が来てて、もう帰る時間だった。


「いいって…帰るぞ…?朱鳥」


華兎がなにも言わない間に私の腕は暁兎君に引っ張られた。

掴まえられた所は少し痛くて…熱かった。

引っ張られて少し経つと、学校を出ていた。

暁兎君の顔を覗けなかった。
なぜか怖かった。


「ごめん………」


急にそう言った暁兎君の顔を覗くと、下唇を噛み締めていた。


「俺らしくないことした………」


『そんなことない。私だって一緒に帰るの忘れていたし…暁兎君が怒るの無理ない…』


「暁兎って呼んで?…あと怒ってないから」


私は静かに首を縦に振った。

暁兎は納得したようだった。

私だけ呼び捨てされるのは嫌だったし、

怒っていないなら良かった。