泣き虫なあたし。



「まあ、朱鳥が萩原兄のこと好きなら仕方ないケドね♪」



水樹がそういうと、丁度チャイムが鳴り、華兎と朱鳥は自分の席に戻った。

でも私は授業に集中出来なかった。


―――こんな約束しなければ良かった。

黙ってるからって言えば良かった。


そうすれば、こんなに悩まなくて良かったのに。



ずっとそう考えていた。