泣き虫なあたし。


一時間目が終わると、
華兎が話しかけてきた。


「窪川っっ!!兄貴に何もされてないかっ!?」


授業中も私のこと睨み付けてたらしく、

視線が痛かった。


『別に大丈夫だよ…そんなに心配しなくても。朝しか会ってないし?』


「でも二人きりだったんだろ!?」


どれだけ気になるんだ…


『そんなに心配されたらちょっとウザいんだけど…?』


それを聞いていた水樹はちょっと驚きながらこっちを見てる。

華兎は何故だか落ち込んでる。


「珍しいねっ?朱鳥がウザイとか使うの…よっぽど華兎君がやだったの?」


そういやそうだ。

私はあんまり堂々と他人を拒絶できるタイプではない。

どちらかと言えば優等生で通っていて、

悪口なんて似合わない…なんて言われているそう。


『だって…華兎には関係ないじゃん…そんなふうに言われたらだれだって思うよ?』


私がそう言うと華兎は余計に落ち込み、一人で机につっぷし、グチグチ言っている。


「確かに…でも華兎君お兄ちゃんに取られてショックだろうね…そこんとこ考えてあげなよ?」


私は仕方なく『…うん』と答える。

華兎も演技と分かっているからあれだけど、

やっぱり辛いものなのかな…?