『はじめまして。窪川朱鳥です』
ニコッと笑った顔もそっくりだ。
こっちまでつられそう。
「暁兎の傍にずっと居てくれたんだろう?ありがとね」
私は思いっきり首をふった。
『いえ。私が好きで暁兎の隣にいるんですから』
「でもね。暁兎のせいで君の自由を奪いたくないんだ。だからこれ以上、大変な思いをしてほしくない」
「ちょっ…あなたっ!」
美沙さんが止めに入る。
『もう、私に来るなってことですか……?』
「いや…違うよ。君が心配なんだ」
暁兎のお父さんは軽く溜め息をついた。
「……本音を言えば、悔しいのかもしれないな。暁兎の意識があるうちに来れなくて、ずっと傍にいる君が」
『暁兎は…』
『暁兎は絶対に目を覚まします!だから…悔しいなんて言わないで下さいっ!』
何を言ってるんだ私…!

