オレの行動と同時に
ドアのらへんで

鈍い音がした。



パッと顔を上げて
見えた人物に
オレは目を見開いた。



「れ…い?」



あまりに驚いて
オレの頭の中は真っ白。


そしてハッと
今のオレの状態に気づく


知らない女を
抱きしめるオレ。



鈴はグッと拳を握り
ワナワナと震わせると


ドタバタと部屋から
出て行ってしまった。



「鈴ッ!」



反射的に立ち上がると
それを止める小さな手。



「行っちゃうの…?」



オレの心に
迷いはなかった。



鈴がさっき落としたもの

それはオレが大好きな
プリンだった。


望月が持ってきた物とは
違うメーカーの

オレがよく食べるプリン



メーカーまでちゃんと
覚えててくれたんだな…