バンッ!とテーブルを叩いて抗議すると、いつもハイテンションな母さんが、ハァッとため息をついた。





「…何で今日がバレンタインなのかしら…」


「…何でいきなり。っていうか俺の話聞いてますか?」



すると更にため息。




「…毎年チョコは秋も准も凄かったから、チョコには困らなかったのに…」



…珍しく悩んでると思ったらそれかよ。



俺は心配する気にもなれず、呆れ返って肩で大きく息をついた。







「チョコには…チョコには困らなかったのに……チョコ」


ずっとお経を唱えるようにぶつぶつと呟く母さん。




…何だか負のオーラさえ見える。幻覚か?