佑の顔は見れないけど、 背中がすごく大きくて気持ちがいい。 「ねぇ、佑。さっきの子、元カノでしょ?」 ぶっ!と噴出す音が背中越しに響く。 「加奈子か?」 「う…ん。聞いてたのもあるけど、すぐにわかったよ」 「そっか」 「ごめんね。やきもち、妬いちゃった。終わってる恋なのに。小さいな、私、って。なんか嫌になっちゃったんだ」 「……」 「がっかりした?」 あっさり聞くふりして、本当はどきどきしてる。 本当に、佑にあきられたらどうしよう、って。 怖くて、思わず目をぎゅっと閉じた。