しばらくすると、キッチンからコーヒーの芳醇な香りが漂ってきた。 『お待たせ!』 テーブルには、綺麗にカットされ、ホイップクリームが添えられたザッハトルテとメランジェがセッティングされていた。 『本場のホテルザッハのものに比べたら雲泥の差だけど、どうぞ召し上がれ。』 マナに薦められ、 「いただきます。」 フォークで一口切り分け、ホイップクリームを付けて口に入れる。 「美味い…」 ザッハトルテの甘さとふわふわで甘さ控えめのホイップクリームが口の中いっぱいに広がった。