地上から取り残されたような

マンションの一室で


窓を閉め切り

扉に鍵をかけ

腕を結わえて


アナタは

何度も何度もワタシを抱くの

それはもう

愛しげに

切なげに

苦しげに

だからワタシも

声を出して『泣く』の

愛しげに

切なげに

苦しげに


だって

ほんとは

もう気づいてる


そして

アナタにも

気づかれている


逃げられないのが

イヤで

泣いてる訳じゃないってこと


アナタをこの腕で

抱きしめられないことが

辛いってこと




さらわれて

みだされて

あいされて


慣れた彼とは違う

けれど覚えのある動きに


とかされて




……気がつけば

夏が終わる