高い。 高すぎる。 見た目安そうなのに、あんな代物だったなんて。 「…う、」 ただでさえ生活がギリギリなのに2万なんて…。 けれど、弁償しますと言った以上、引くに引けなくなってしまった。 「ぷっ」 ………へ? 気づけば、目の前には肩を震わせて笑う志季。 な、何──…… 「嘘に決まってんじゃん。お前、バカ?」 「へっ…嘘?」 「まァ、あれだ。要するに気にすんなってこと」 フワッ。 志季の手が、私の頭に載せられる。 「……ッ!?」