「──ッ見せろ!」 一瞬、何が起こったのか分からなくて。 呆然と志季の顔を見つめる。 「あのっ……」 気づけば握られていた両手。 いや、握られていたというより、掴まれていたと言うべきか。 「怪我は!?」 「へ、平気です。それよりも…」 無惨に飛び散った破片に視線を移す。 「すみませんでした。私の不注意でっ」 「──…ならいい」 「え…?」 「お前が無事ならいい」 ──志……季……?