ど、どうしよう…… 割っちゃった。 生まれて初めて割っちゃった。 「す、すみません。失礼しました!」 同情の視線が突き刺さる中、周囲のお客様にペコペコと頭を下げる。 そして、慌てて飛び散った破片をかけ集めようとした時だった。 「…相澤っ!」 ────え? 聞き覚えのある低い声。 ハッとして顔を上げる。 「…志季」